2時限目以降の授業は各兵科の役割と特性、武器や防具の強化の基本など初歩的な授業が続いた。
放課後のセントヘイブンを歩く3人
アクロ子「なんだか今日はすごく疲れたにゃ」
マセオ「知ってる事ばっかだったしな」
アクロ子「違うにゃ」
マセオ「!あ~ミユ…さん?何か意外だよなぁ?もっと淑やかってか、あんな感じだとは思わなかったわ」
エレナ「ミユさん…ってアクロ子さん怖くないの?」
アクロ子「う~ん、さっきはちょっとビックリしちゃったけど別に怖いとかはないにゃ」
アクロ子は実際ミユのじっとりと纏わりつくようなオーラがあまり好きではなかったが咄嗟にエレナにそれを隠した。
ミユが悪いエルフだとは思えない。自分の返答でミユの印象が悪くならないようアクロ子なりに気を遣っての言葉だった。
エレナ「…そう、…まあいいわ」
エレナは口の端をわずかに上げてそう返した。
マセオ「あ!あの店」
マセオが屋台を見て声を上げた。2人もつられて見ると大きな肉の塊が回転しながらローストされていた。
マセオ「うまいんだよあの店のケバブサンド…よし買っていこう」
そう聞いてくるマセオの足は既に屋台に向かって歩き出していた。
2人は互いの顔を見てため息をついた。
仕方なくマセオの後を追うと焼いた牛肉のいい匂いが漂ってきた。
マセオ「え~と」
エレナ「ホント食い意地が張ってますこと」
マセオ「2人は要らないのか?」
アクロ子「買い食いすると晩ご飯食べれなくなるにゃ。お姉ちゃんに怒られるにゃ」
エレナ「マセオさん太りますわよ?」
マセオ「今が成長期なんだからいっぱい食っとかないと将来後悔するぞ?」
セントヘイブン南門付近のベンチに3人は座った。
マセオ「結局食うんだよなぁははは」
アクロ子「アクロバットは体力使うからすぐおなか減るにゃ」
エレナ「魔力も使うと体力を消費しますの」
マセオ「なんか皆と食べると一段とうまく感じるな」
エルダー「あれ、3人共どうしたのこんなとこで?あっ、買い食いかい?」
エレナ「あらエルダーさん」
マセオ「よう今帰りか?」
エルダー「そんなとこ」
アクロ子は口の中がケバブサンドで一杯だったため会釈だけした。
エルダー「なんか皆を見てたら僕の方までおなか空いてきちゃったよ」
アクロ子「そういえばエルダー君はどこに住んでるにゃ?」
エルダー「僕は寮住まいなんだ、セントヘイブンには何度か来たことはあったけどまだわからないことも多くてね。散策してたんだよ」
エレナ「そうだったんだにゃ」
マセオ「寮か、それも面白そうだな」
エルダー「いや結構規則とか大変だよ?門限とか」
マセオ「それをどう突破するのかが面白いんじゃねぇか」
エレナ「マセオさんはどうなのよ?」
マセオ「オレは1人暮らしだけど?」
アクロ子「お金持ちなのにゃ?」
マセオ「港の方の安アパートだよ」
エレナ「私と似た感じね」
アクロ子「エレナさんも1人暮らしにゃ!?」
エレナ「ですわよ、何事も経験って母様に言われまして」
エルダー「よくお父さんが許したね。ところでアクロ子さんはお姉さんと暮らしてるの?」
アクロ子「そうにゃ実家暮らしにゃ」
マセオ「そういえばお前入学式のに会ったよな」
アクロ子「会ったにゃアクロ子の家はヘルテマルテ港の先の森の中にゃ」
エルダー「へ~じゃあ海の近くなのかい?いいね」
エレナ「じゃあ今度遊びに行ってもいいかしら?」
アクロ子「いいにゃ、いつでも来るにゃ」
エレナ「やったぁ」
マセオ「オレも行きたい!」
アクロ子「えぇ~」
マセオ「なんでオレの時はそんな顔すんだよ」
エルダー「マセオはお姉さん目当てだろ?」
エレナ「どうしてもっていうなら手足を鎖で拘束してからね」
マセオ「はぁっ!」
エルダー「ははははっ」
4人は日が沈む頃まで会話を楽しんだ。

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